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一体どこが時計? レーシングカーを模した高級メゾン・レペ「タイムファストII」に見る大人の遊び心

一体どこが時計? レーシングカーを模した高級メゾン・レペ「タイムファストII」に見る大人の遊び心

スイスの高級クロックメゾン・レペより、1960年代のスポーツカーに材を得たユニークなクロック「タイムファストII」(858万円、消費税込)が登場。互いに独立して動く2つのムーブメントと本物さながらの質感の高い作り込みが、贅沢な時を刻みます。

●長距離レース黄金期の2人乗りレーシングカーに着想を得た贅沢な手巻きクロック
 創業1839年、現在はスイス・ジュラ地方のデレモンに拠点を構える高級クロックメゾン・レペが、レーシングカーをモチーフにした遊び心あふれるクロック「タイムファストII」(858万円、消費税込)をリリースした。
 これは2019年にリリースされた「タイムファスト」シリーズの最新作として登場するもので、5色それぞれ99本のみの製作という貴重な限定モデル。
 これまでのモデルでは、1950年代のF1カーをモチーフとしたずんぐりとした葉巻型のデザインを採用していたのに対して、今回の「タイムファストII」はご覧の通りの2シーター。
 これは長距離カーレースの黄金期を迎えた1960年代の2人乗りレーシングカーをイメージしたものだという。
 なめらかな曲線を描いたボディがなんとも艶めかしく美しいが、一体どこがスーパーコピー時計 N級なのかといぶかしむ向きに、改めてその機構を紹介していこう。

●後輪のプルバックで巻き上げ完了! 使う楽しさを存分に味わえるムーブメント
「タイムファストII」の魅力はまず、リアルな質感を目指したこだわりの作り込みにある。
 H型シャーシにボディを載せた本体構造は本物のスポーツカーさながら、また素材には1960年代のレーシングカーと同じくアルミ素材を使用。
 3本スポークのステアリングホイールも実車同様のデザインで丁寧に作り込まれたもの、タイヤには発砲コンパウンドを採用することで、接地した際の微妙な変形までも忠実に再現している。
 さらに大きな特徴として、それぞれ独立して駆動する2つのムーブメントを搭載していることを挙げておきたい。まずひとつめは、コックピットから顔をのぞかせる自社製手巻式ムーブメント“L’epee 1839 1855”、これは時計本来の機能である時刻表示を担ったムーブメントだ。
 コックピットのヘルメットの中には2.5Hzの脱進機を備え、助手席のシートからは駆動の動力源となるメインスプリングを見ることができる。
 エンジンルームにはデュアルキャブレターのフィルターに取り付けられた2枚のディスクがあり、これらがそれぞれに回転して、見る人に時・分を伝えるという仕組み。
 もうひとつのムーブメントは、このクルマの“エンジン”に使用されるもの。ダッシュボードに備えたキーを回すとエンジンが始動、時刻表示ムーブメントの動きとは完全に独立した動きでV8エンジンのピストンが上下するさまは、クルマ好きなら眺めているだけでも思わず心の弾む楽しさだ。
 またコックピットといえば、ダッシュボード周りの細かな造作にも注目したい。前述のステアリングホイールを反時計回りに回せば直感的な時刻設定が可能だし、可動式のギアレバーはムーブメントを巻き上げる際、どのムーブメントを巻くのかを選択するためのもの。
 例えば時刻表示のためのムーブメントを巻くには、レバーを所定のギアに入れてリアタイヤを後ろ方向にプルバックして巻き上げるという具合。高級置き時計というとどうしても装飾性の高さに目がいくが、実車さながらに設えられたディテールは使う楽しさも存分に味わわせてくれるはず。
 センスあふれる遊び心と熟練の技術が融合した、ひたすら贅沢な機械式沖時計は、時計好き、クルマ好きなら一度は目にしてみたい逸品だ。
■LE’PEE 1839 TIME FAST II
品番:
ブルーにホワイトストライプ:74.6011/194 
ホワイトにブルーストライプ:74.6011/184
レッド:74.6011/164
グリーン:74.6011/134
シルバー:74.6011/114
・価格(消費税込):858万円
・サイズ:全長450×幅189×高さ120mm
・重量:4.7kg
・素材:真鍮(パラジウムメッキ)、ステンレススティール、アルミニウム
・ムーブメント:階層型機械式ムーブメント 自社製キャリバーL’epee 1839 1855 MHD 2.5Hz/18,000bph 26石
・駆動時間:パワーリザーブ8日間
・限定数:世界限定 各99台
・発売時期:2023年2月

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